大人は楽しい

2008年 07月 01日 ( 3 )




夏の文庫フェアを読む 〜三社比較〜

角川・集英社・新潮の文庫フェアについて見てみましたが、けっこう似たり寄ったりのラインナップだと感じました。

複数社にまたがって100選入りしている作家が多いですね。
その中で、全部で何作品入っているかを数えてみました。

※1社しか100選入りしていない作家はカウントしない
 (たとえば村山由佳は4作あるが、すべて集英社なのでノーカウント)

※前後編の作品は合わせて1作とする
 浅田次郎「天切り松」シリーズも4作合わせて1作とする

※同じタイトルの作品でも、出版社が異なる場合は別々にカウントする


【2作】
赤川次郎/伊坂幸太郎/遠藤周作/小川洋子/奥田英明/角田光代/金城一紀/川端康成/沢木耕太郎/筒井康隆/壷井栄/梨木香歩/畠中恵/星新一/森見登美彦/柳田国男/吉本ばなな/アンデルセン/カフカ/サン=テグジュペリ

【3作】
浅田次郎/さくらももこ/重松清/林真理子/宮沢賢治/森鴎外

【4作】
江國香織/乙一/宮部みゆき/森絵都

【5作】
石田衣良/恩田陸/太宰治/夏目漱石/唯川恵

【6作】
芥川龍之介/東野圭吾


伊坂幸太郎とか角田光代などの人気作家が2作だけだったりする他はだいたい順当ですね。
ほぼ現在の人気作家ランキングに近いのではないでしょうか。
文豪の中で芥川が一番人気なのはやはり短くて読みやすいからかな。
3社すべての100選に入っているのは、
芥川龍之介/浅田次郎/石田衣良/恩田陸/太宰治/夏目漱石/宮部みゆき
この7人。いろんな出版社から出している人自体がそんなに多くないので。
著作権の切れた文豪が人気なのは当然ですが。


続いて、複数社の100選に入っている作品。

芥川龍之介「地獄変」  (角川・集英)
芥川龍之介「蜘蛛の糸」 (角川・新潮)
芥川龍之介「羅生門」 (角川・新潮)
芥川龍之介「鼻」 (角川・新潮)
遠藤周作「海と毒薬」 (角川・新潮)
カフカ「変身」 (角川・新潮)
川端康成「伊豆の踊り子」 (集英・新潮)
壷井栄「二十四の瞳」 (角川・新潮)
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」 (角川・新潮)
森鴎外「舞姫」 (角川・新潮)
森鴎外「阿部一族」 (角川・新潮)
吉本ばなな「キッチン」 (角川・新潮)
アンデルセン「絵のない絵本」 (集英・新潮)
サン=テグジュペリ「星の王子さま」 (集英・新潮)

吉本ばななが存命の作家では唯一のフタマタ。
芥川が多いのは短篇が多いから。

そして、
太宰治「人間失格」 (角川・集英・新潮)
夏目漱石「こころ」 (角川・集英・新潮)

この2作は3社すべてでランクイン。
いやーすごい。つぶしあっても採算とれるぐらい売れるんですね。

そういやこの2作は各社とも表紙に趣向を凝らしています。
集英社はともに表紙が小畑健。
角川の人間失格は松山ケンイチ。
新潮のこころは純白。そして人間失格はどピンク。

僕の好み?
僕は、ふつうの表紙でいいです……。


ついでに、本を買うと景品がもらえるのも夏フェアの楽しみのひとつ。

角川は、ブックカバー
e0025267_9595748.jpg


新潮は、エコバッグ
e0025267_10026100.jpg


そして集英社は、ストラップ……
e0025267_1005781.jpg


ここにも力の差が現れているな……(新潮文庫 > 角川文庫 > 集英社文庫)
[PR]



by uso8000000 | 2008-07-01 10:02 | 本の周辺

夏の文庫フェアを読む

「じゃぶじゃぶアンパンマン」という、濡れても大丈夫な絵本が入荷しました。
 キャッチコピーに「海でも!お風呂でも!」と書いてあります。
 お風呂はいいとして、誰が海で絵本を読むんでしょうか。


 さて、昨日と今日は全国の書店の文庫担当者は大忙しだったと思います。
 昨日は「角川文庫 夏の100冊」、今日は「集英社文庫ナツイチ」が入荷したからです。
 7月8月は文庫の旬。
 僕の勤めている書店も例外ではありません。

 展示するのに1時間はかかるかな〜と思っていたんですが、いざ並べだすと「この作家の隣にこの人は嫌だ」とか「本の高さが凸凹で気持ち悪い」とか、持ち前のこだわりが顔を出して、結局3時間かかりました。角川で3時間、集英で3時間。
 もうちょっとしたら「新潮文庫の100冊」も入ってくるはずなんで、合計9時間。

 でもいつもはフェアを展開するときは「どれを返品して場所を空けようか。これは残しときたいし……」などと悩むものなんですが、300種類も入ってくるので迷う余地はありません。
「こっからここまで全部返品!」と一気に返品してしまいます。
 そういう意味では展示は楽なんですけどね。


 さて、今年の3社の夏フェアについて僕なりの感想を書くことにします。
 文庫ファンとしては言いたいことがいっぱいあります。


 角川文庫 夏の100冊

 集英社文庫 ナツイチ

 新潮文庫の100冊
[PR]



by uso8000000 | 2008-07-01 09:00 | 本の周辺

夏の文庫フェアを読む 〜新潮文庫の100冊〜

 新潮文庫の100冊

 中途半端に他社の後を追ってしまったな、というのが第一の印象。
夏目漱石「こころ」
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
アンデルセン「絵のない絵本」
太宰治「人間失格」
この4冊を期間限定カバーにしました。
それぞれ、真っ白、真っ青、真っ黄色、真っ赤な表紙。「人間失格」は真っ赤というよりどぎついピンクです。
去年集英社が人気漫画家のイラストを表紙に起用して成功したのを追いたい、けれども角川のようにタレントを表紙に使うような度胸はない。
で、モノトーンの表紙。
これだったらやらなくてもよかったんじゃないの。
大きなマイナスもないけどプラスもない、一番まずい選択だったんではないでしょうか。


カバーといえば、フェア対象商品には文庫帯を巻いているのですが、この帯も色が悪い。
真っ黄色に、緑の葉っぱが描いてあります。
黄色と緑。これがずらりと100枚並ぶと、気持ち悪いのなんの。
お近くの書店で確認してみてください。


谷崎純一郎「春琴抄」
中島敦「李陵・山月記」
林芙美子「放浪記」
三浦綾子「塩狩峠」
レイチェル・カーソン「沈黙の春」
白州正子「白州正子自伝」
などの渋い作品が多く入っているのが新潮らしくていいですね。
あまり著名でない古典をどんどん読ませてほしいです。

カバーデザイン以外は特に文句をつけるとこもなし。
定番作品のチョイスもいいです。
今話題のミャンマーにちなんで、竹山道雄「ビルマの竪琴」
ワーキングプアにからんで話題の、小林多喜二「蟹工船」
人気学者の、竹内薫・茂木健一郎「脳のからくり」
今年一部で話題の、モンゴメリ「赤毛のアン」
NHKドキュメントで一躍耳目を集めた、サイモン・シン「フェルマーの最終定理」
ライラの冒険として映画化、フィリップ・ブルマン「黄金の羅針盤」
これまた映画化、梨木香歩「西の魔女が死んだ」
お堅いようで、さりげなく流行りものをとりいれているところもお見事。

さらに、
第1回本屋大賞、小川洋子「博士の愛した数式」
第2回本屋大賞、恩田陸「夜のピクニック」
第4回本屋大賞受賞作家、佐藤多佳子「黄色い目の魚」
第5回本屋大賞受賞作家、伊坂幸太郎「重力ピエロ
と、本屋大賞がずらり。
こうなると第3回のリリー・フランキーも並べたくなりますが、リリー・フランキーは幻冬舎文庫と河出文庫からしか出してないのよね。残念。


僕がいいチョイスだと思った文庫。

・古典
壷井栄「二十四の瞳」
・エッセイ
藤原正彦「若き数学者のアメリカ」
・ノンフィクション
サイモン・シン「フェルマーの最終定理」
・SF
安部公房「砂の女」
・ミステリ
宮部みゆき「火車」
・ユーモア
森見登美彦「太陽の塔」
・青春
山田詠美「ぼくは勉強ができない」
・海外
レイチェル・カーソン「沈黙の春」

ジャンルのバランスもいいな。
[PR]



by uso8000000 | 2008-07-01 07:41 | 本の周辺

移転しました。新しいブログはこちら http://dogdogfactory.blogspot.jp/
by uso8000000
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ブログリンク

USO-800大喜利
トップページです。

大喜利カレンダー
べとんさん運営の、大喜利やる人には欠かせないカレンダー

まるで銃弾浴びてるかのよう
短歌

三人一句
昔やってた遊び



ジャックハマー
ミニゴバさんの文士ブログ
眼球の裏窓
眼球支点さんの対話式ブログ
大友・ごむの「なりきりアンドロイド」
大友ヒップホップさんの激辛ブログ
まち子よ
フードさんのドギツイブログ
ひぐまの左手
ニッポニアさん・なゆらさんのひょっとこキャンバス
菜果牛乳3
To菜果さんの爆弾ブログ
なんとなく
あいつさんのハレンチブログ
あんにゅい三昧
あんにゅい竹さんの皆勤ブログ
土砂降りの脂の中で僕ら
えこなさんの痛快ブログ
忍者ムラサキのおしゃべりデート
忍者ムラサキさんのおしゃべりブログ
暴投戦士(笑)
暴投戦士(株)さんのしっかり者ブログ
さんえいち(戒)
雨乞い番長さんの番長ブログ
リッスン・トゥー・ハー
なゆらさんの名文ブログ
いわし13号
いわしさんの大衆魚日記
今夜は金玉について語ろうか
たかさんの変態ブログ
☆一瞬の輝き
kanon560さんの追想ブログ
サムライチョップはパンチ力
サムライチョップさんのアニメ化ブログ
塩で揉む
しりこだまさんの汚れブログ
はた織り鶴の一撃
ガス電池さんのハイセンスブログ
ヒメジャノメートル
ラマオさんの滅裂ブログ
Kera-ma-go
んじょもさんの暗黒青春ブログ
本多おさむの「入りやすい穴、探してます」
穴さんの入りやすいブログ
all or Nothing radio Show
22世紀からきましたさんの22世紀からきましたブログ
七分袖モダンガール
カシスさんのアナクロニズムブログ
孤立無援の刺草
SANATOさんの寸鉄人を刺すブログ
小指をつないで
お米さんのよく噛んで読めブログ




【管理人プロフィール】
スーパー真心 20代 兵庫県在住

検索

最新の記事

移転のお知らせ
at 2015-06-04 00:18
海を渡れ
at 2013-03-29 21:37
海洋堂フィギュアミュージアム
at 2013-02-24 23:49
仮説
at 2012-11-15 21:37
つげぐち
at 2012-10-20 21:58

ファン

ブログジャンル

画像一覧