オモイド3
おもしろタイマン大喜利サイトラテフェスタで、「オモイド」という企画がおこなわれています。
これは面雀大喜利なのですが、従来の面雀とはちょいとちがいます。
通常面雀というと、いくつかの単語をつなぎ合わせて新しい言葉を作るというものです。
「携帯用おかあさん」とか「明治維新詐欺」とか。
で、それに少しの解説文をつける、あるいはまったくつけないというのが面雀大喜利だったんですね。
そんな面雀大喜利界に、まったく新しい風を吹き込む人が現れました。
それこそが、面雀界の革命児・つくしさん! わーわー。
詳しいことはつくしさんのブログを読めばわかりますが、つくしさんやOSKさんのやる面雀は「作った言葉そのものはおもしろくなくていい。その後の解説文にストーリーを持たせておもしろくする」というものです。そういうふうに僕は解釈しています。
そういう面雀の大会が「オモイド」なんですね~。
わかった?
その大会に、僕も招待してもらいました。しかも、オモイドの旗上げ人であるつくしさんとの対戦です。
いや~、楽しかった。勝ち負けはあまり気にすることなく楽しめました。通常大喜利とは違った味わいがありますね。
採点者の方々もすごく丁寧なコメントをつけてくれました。嬉しい!
またやりたいな。
【お題】センター牌の言葉に自分の好きな言葉をつけてそれを解説してください
センター牌 「少女」
【日本一不幸な少女】
また妹はクラスの男子たちにいじめはやされて泣きながら帰ってきた。クラスの男子たちが妹のことをからかっているのは相変わらずのようだったが、最近では妹が泣きながら帰ってくることはなかった。それだけに、妹の泣き顔は僕を心配させた。
「どうしたんだ。幼稚な奴らのからかいなんか気にすんなよ」
「お兄ちゃんの嘘つき!」
妹の眼がきっと僕をにらみつけていた。
「お兄ちゃん、こないだ言ったでしょ。日本一不幸な少女はジャイ子だって。あんな名前付けられるなんてかわいそうだって。それに比べたらおまえはまだマシだって」
ひっくひっくと涙を飲み込みながら、妹は紅潮した顔で僕を責める。
「でも今日、クラスの男子に聞いたのよ。ジャイ子って本名じゃないんだって。本名だと思われてるけど、藤子・F・不二夫先生がインタビューに答えたときに『ジャイ子は本名じゃない』って言ったんだって!」
「そ、それは…」
「お兄ちゃんの嘘つき! やっぱり日本一不幸な少女はわたしなのよ!」
妹は目を押さえてうずくまった。きっと僕のことを恨んでいるにちがいない。はやしたてる男子たちよりも、嘘を教えた僕のことを。そしてその嘘を信じ、それにすがってからかいに耐えていた自分のことを。
「しょうがないじゃないか。うちはみんなこういう名前なんだから。僕だって我慢してるんだよ」
「お兄ちゃんにわたしの気持ちなんてわかりっこないのよ! お兄ちゃんは、学校に『勝男』っていう名前で通ってるでしょ! かもめ第三小学校でわたし一人だけよ、適当な漢字がないからって『ワカメ』なんていう変な名前の子は」
「……」
「もうわたし、学校行かない! クラスの男子には『ふえるわかめちゃん』とか『ワレメちゃん』とか言っていじめられるし! スカートからパンツははみ出てるし! それなのに日曜の夜には明るく振舞わなきゃいけないし! バカ! お兄ちゃんのバカ! 長谷川町子先生のバカ!」
泣きすぎて、もう涙も枯れたようだ。机につっぷしたまま、じっと黙っている。
僕はそっと妹に近付き、その背中に手を置いた。
「たしかに僕にはワカメの気持ちはわからない。気にするなと言ったってワカメにとっては深刻な問題だし、学校に行きたくなくなるのも当たり前だと思う。でもなワカメ、ワカメも知ってるだろう、益男兄さんの会社の同僚のアナゴさん」
「……?」
「アナゴさんもな、本名なんだよ。おまけにあんないやらしいくちびるを持ってるんだ」
「あ……」
妹は驚いたようにこちらを振り返った。
「ワカメは、自分の名前が嫌いだったら長谷川町子先生を恨めばいい。でもな、アナゴさんは原作には出てこないんだ。アニメでしか登場しない。だから誰がアナゴさんを考えたのかわからない。名付け親を恨みたくても、誰だかわかんないんだ」
「そっか……」
「それにワカメは、嫌なことがあったら僕に対して怒りをぶつければいいさ。僕はそれで怒ったりしない。僕はおまえの兄貴だからな。でも、アナゴさんは極度の恐妻家なんだ。いつも奥さんに怒られないかとおびえてる。当然、奥さんに愚痴をこぼすことなんてできっこない」
「……そうだよね。アナゴさんはかわいそうな人だよね。わたし、ずっと自分が一番不幸だって思ってた。でも、アナゴさんはもっと気の毒だわ。名前だけじゃなくて、顔面もひどいし」
「だろ?」
「うん。あれ? なんでだろ、自分より不幸な人がいると思ったら、わたし急に元気になってきちゃった。アナゴさんのこと考えてたら、自分もまだまだ捨てたもんじゃないなって思えてきたわ」
「ははは。げんきんなやつだなあ」
僕は妹をじっと見つめて言った。
「ワカメ、おまえは僕にとっては日本一素敵な妹だよ」
「うれしい……。お兄ちゃん、あのね」
妹はにっこりと笑いながら言った。
「わたし、日本一幸せな少女よ!」
これは面雀大喜利なのですが、従来の面雀とはちょいとちがいます。
通常面雀というと、いくつかの単語をつなぎ合わせて新しい言葉を作るというものです。
「携帯用おかあさん」とか「明治維新詐欺」とか。
で、それに少しの解説文をつける、あるいはまったくつけないというのが面雀大喜利だったんですね。
そんな面雀大喜利界に、まったく新しい風を吹き込む人が現れました。
それこそが、面雀界の革命児・つくしさん! わーわー。
詳しいことはつくしさんのブログを読めばわかりますが、つくしさんやOSKさんのやる面雀は「作った言葉そのものはおもしろくなくていい。その後の解説文にストーリーを持たせておもしろくする」というものです。そういうふうに僕は解釈しています。
そういう面雀の大会が「オモイド」なんですね~。
わかった?
その大会に、僕も招待してもらいました。しかも、オモイドの旗上げ人であるつくしさんとの対戦です。
いや~、楽しかった。勝ち負けはあまり気にすることなく楽しめました。通常大喜利とは違った味わいがありますね。
採点者の方々もすごく丁寧なコメントをつけてくれました。嬉しい!
またやりたいな。
【お題】センター牌の言葉に自分の好きな言葉をつけてそれを解説してください
センター牌 「少女」
【日本一不幸な少女】
また妹はクラスの男子たちにいじめはやされて泣きながら帰ってきた。クラスの男子たちが妹のことをからかっているのは相変わらずのようだったが、最近では妹が泣きながら帰ってくることはなかった。それだけに、妹の泣き顔は僕を心配させた。
「どうしたんだ。幼稚な奴らのからかいなんか気にすんなよ」
「お兄ちゃんの嘘つき!」
妹の眼がきっと僕をにらみつけていた。
「お兄ちゃん、こないだ言ったでしょ。日本一不幸な少女はジャイ子だって。あんな名前付けられるなんてかわいそうだって。それに比べたらおまえはまだマシだって」
ひっくひっくと涙を飲み込みながら、妹は紅潮した顔で僕を責める。
「でも今日、クラスの男子に聞いたのよ。ジャイ子って本名じゃないんだって。本名だと思われてるけど、藤子・F・不二夫先生がインタビューに答えたときに『ジャイ子は本名じゃない』って言ったんだって!」
「そ、それは…」
「お兄ちゃんの嘘つき! やっぱり日本一不幸な少女はわたしなのよ!」
妹は目を押さえてうずくまった。きっと僕のことを恨んでいるにちがいない。はやしたてる男子たちよりも、嘘を教えた僕のことを。そしてその嘘を信じ、それにすがってからかいに耐えていた自分のことを。
「しょうがないじゃないか。うちはみんなこういう名前なんだから。僕だって我慢してるんだよ」
「お兄ちゃんにわたしの気持ちなんてわかりっこないのよ! お兄ちゃんは、学校に『勝男』っていう名前で通ってるでしょ! かもめ第三小学校でわたし一人だけよ、適当な漢字がないからって『ワカメ』なんていう変な名前の子は」
「……」
「もうわたし、学校行かない! クラスの男子には『ふえるわかめちゃん』とか『ワレメちゃん』とか言っていじめられるし! スカートからパンツははみ出てるし! それなのに日曜の夜には明るく振舞わなきゃいけないし! バカ! お兄ちゃんのバカ! 長谷川町子先生のバカ!」
泣きすぎて、もう涙も枯れたようだ。机につっぷしたまま、じっと黙っている。
僕はそっと妹に近付き、その背中に手を置いた。
「たしかに僕にはワカメの気持ちはわからない。気にするなと言ったってワカメにとっては深刻な問題だし、学校に行きたくなくなるのも当たり前だと思う。でもなワカメ、ワカメも知ってるだろう、益男兄さんの会社の同僚のアナゴさん」
「……?」
「アナゴさんもな、本名なんだよ。おまけにあんないやらしいくちびるを持ってるんだ」
「あ……」
妹は驚いたようにこちらを振り返った。
「ワカメは、自分の名前が嫌いだったら長谷川町子先生を恨めばいい。でもな、アナゴさんは原作には出てこないんだ。アニメでしか登場しない。だから誰がアナゴさんを考えたのかわからない。名付け親を恨みたくても、誰だかわかんないんだ」
「そっか……」
「それにワカメは、嫌なことがあったら僕に対して怒りをぶつければいいさ。僕はそれで怒ったりしない。僕はおまえの兄貴だからな。でも、アナゴさんは極度の恐妻家なんだ。いつも奥さんに怒られないかとおびえてる。当然、奥さんに愚痴をこぼすことなんてできっこない」
「……そうだよね。アナゴさんはかわいそうな人だよね。わたし、ずっと自分が一番不幸だって思ってた。でも、アナゴさんはもっと気の毒だわ。名前だけじゃなくて、顔面もひどいし」
「だろ?」
「うん。あれ? なんでだろ、自分より不幸な人がいると思ったら、わたし急に元気になってきちゃった。アナゴさんのこと考えてたら、自分もまだまだ捨てたもんじゃないなって思えてきたわ」
「ははは。げんきんなやつだなあ」
僕は妹をじっと見つめて言った。
「ワカメ、おまえは僕にとっては日本一素敵な妹だよ」
「うれしい……。お兄ちゃん、あのね」
妹はにっこりと笑いながら言った。
「わたし、日本一幸せな少女よ!」
by uso8000000
| 2005-10-26 23:27
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