大人は楽しい

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本の虫の大掃除

 年末は仕事が忙しかったので、今になってやっと大掃除をする。

「几帳面そう」と言われることも多いが、ぼくの部屋はとにかく汚い。
 きれいに片付いているのは本棚だけである。いや、最近は本棚もぐちゃぐちゃになってきた。
 昔は作者別、出版社別、刊行順にびしっと並んでいたのだが。
 本屋で働くようになって「本をびしっと並べたい!」という欲求が解消されるようになったからかもしれない。



 誇張ではなく、文字通り足の踏み場もない。
 灯りを消したら部屋の中を歩けない(バズ・ライトイヤーの人形が足の裏に刺さることは確実だ)。


 どうしてこんなに部屋が散らかるのか、考えた。

 ぼくの部屋を埋めつくしているのは大半が書物だ。
 部屋には大小あわせて六つの本棚があるが、そのどれもが本で埋めつくされている。
 これ以上本を並べるスペースはない。仕方なく本の上に本を寝かせているが、その場所すらもなくなってきた。
 置く場所がないから、新しい本はそのへんに置く。
 押し入れに置く。床に置く。ステレオの上に置く。空気清浄機の上に置く。段ボールに入れてベッドの下に置く。ベッドの上にも置く。
 さすがに寝るスペースも必要なのでちょっとずつ片付けているが、ベッドの上にも常時五冊ほどの本がある。

 わかった。本棚に本が多すぎるから部屋が散らかるのだ。

 そこで、本棚の整理に着手した。


 まず、「絶対に二度と読まない」本を捨てる。
 つまらなかった本、作者を嫌いになった本など。
 これで数百冊分のスペースが確保できた。


 次に「おそらく二度と読まないけど捨てたくない本」を選びだす。
 ほんとはこれらも捨てないといけないのだろうけど、かつての自分が必死に集めた本を捨てるのはしのびない。

 小学生から高校生までは、本を読みたくても金が無かった。
 だからバザーや古本屋を回って少しでも安い本を買っていたが、それでも月に数十冊のペースで読んでいると本代もばかにならない。

 だからなかなか新しい作者に手を出せなかった。
 はずれの本を買う金が惜しかったからだ。
 よく読み知った「新しい発見も少ないがこの人の書くものならはずれもないだろう」という著者の本をとことん買い集めた。

 星新一、筒井康隆、阿刀田高、北杜夫、遠藤周作、井上ひさし、畑正憲、東海林さだお、原田宗典、椎名誠、手塚治虫、吉田戦車……。
 彼らの本はどれも数十冊ずつ持っている。
 ぼくの青春時代を支えた本たちなので、なかなか捨てられない。



 そこで、まず押し入れを片付ける。
 服を捨てる。鞄を捨てる。枕を捨てる。変な形の石を捨てる(なんで持ってたんだ)。
 本以外のものはどんどん捨てられる。



 そして本を押し入れに詰め込む。

e0025267_1852794.jpg


 もしぼくの机の引き出しからドラえもんが出てきても
「ごめん、うちの押し入れ、本で埋まってて寝るとこないわ」
と言って22世紀に追い返すことになると思います。



 やった、本棚がごっそり空いた!!

 よーし、これで安心して新しい本を買えるぜー!
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by uso8000000 | 2011-01-09 18:52 | 日記

中学生の自意識

 本屋にて。
 男子中学生がずっと肩に上着をひっかけるようにしてダウンジャケットをかついでいた。
e0025267_1425219.jpg
            (こんな感じ)

 ずーっとその格好で、本を見ている。
 本を手にとりにくいだろうに。


 ああ、彼の中ではまちがいなく
「今、おれサイコーにかっこいい」
なんだろうなと思って、笑ってしまうと同時になぜかこっちが恥ずかしくなる。


 男子中学生というのは強烈に自意識が過剰な時期だから、たいていみんなかっこいいと思ってダサいことをやらかしている。

 ぼくもずいぶんやらかしている。
 今でも当時の写真は恥ずかしくて直視できない。
 ぼくの場合は
「かっこよく見られたい」
という思いと、
「でもかっこつけているとは見られたくない」
という相反するふたつの気持ちを抱えていた。
 ずいぶん歪んだ自意識を持っていたぼくは、ちょうどエゴを確立する時期だったこともあり、
「とにかく人と違うことをする」という方向に走った。

 中学生のぼくが導き出した方針は「あえてダサいことをする」というものだった。
 
「かっこつけている奴らを上回るには、そいつらを皮肉ってわざとダサいことをすればよい」
 当時ははっきりとそう思っていたわけではないが、今言語化するならばそういう考えだったと思う。
「悪役を演じて人を惹きつけるのが真にいい役者だ」みたいな理論である。

「わざとダサいことをする俺ってかっこいい」
 名づけて「ダサかっこいい」作戦だ。



 まず、髪型を七三分けにした。
 同級生の男子生徒たちがヘアムースをたっぷりとつけて真ん中分けにしたり髪の毛をつんつんと立てているのに対抗したのだ。

 それから、シャツの裾をズボンに入れた。

 うちの中学校には制帽があったのだが、途中から「かぶってもかぶらなくても自由」ということになった。
 もちろん誰もかぶってこなくなったのだが、ぼくは全校生徒でひとりだけ制帽をかぶりつづけた。

 首からホイッスルをぶらさげた。
 百円均一で買ったブルーのホイッスルだ。

 大きなリュックを背負い、留め具をおなかの前でぱっちんと留めた。
 およそ考えられる、ダサいことを次々とやった。




 結論から言うと、ぼくの「ダサかっこいい」作戦は半分だけ成功した。

 つまり、「ダサい」の部分は十分に周囲に伝わり、「かっこいい」の部分はまるっきり理解されなかったのだ。
 笑われることはあっても、「かっこいい」のさらに上を目指したぼくの崇高な考えを評価してくれる人は誰ひとりいなかった(特に女子には伝わらなかった)。



 今書いてみても、ずいぶん屈折した中学生だったんだなと思う。
 そして周囲の人たちがぼくのファッションをどんな目で見ていたのかと想像すると、顔から火が出るほど恥ずかしい。

 そんなふうに思うと、今のぼくがわざと寝グセをつけたまま出かけることがあるのは、未来の自分に恥をかかすだけだからやめたほうがよいのではないだろうかと考えてしまうのだ。
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by uso8000000 | 2011-01-06 14:59 | 徒然

大学のあり方

 外国語大学の学生と話す機会があった。
 なぜ外大を選んだのかと尋ねると、こんな答えがかえってきた。

「高校生のときに、F大学(国立総合大学)のオープンキャンパスに行ったんです。
 そこの外国語学科の講義を受けてみることができたんですけど、文法の歴史とかの話をしててぜんぜん実践的じゃなかったんです。
 外大のほうは実際に英語で会話をしたりしていて、生きた英語が身に付きそうだと思ったんで、外大にしました」


 この子は大学に何を求めているのだろうか。

 英会話を身につけたいのだろうか?
 だったら英会話スクールに行けばいい。大学よりずっと安いし、教え方だってうまいはずだ。


 ぜんぜん実践的でない英語を教えていたF大学のスタンスは正しい。
 大学で学ぶ英語は「研究対象としての英語」か「研究の手段としての英語」のいずれかであるべきだ。

「研究対象としての英語」というのは、決して手段ではない。
 英語を学ぶことそれ自体が目的なのだ。
 古文を学んで「わたしは文法とかじゃなくて平安時代の人と話すための古文が学びたいの!」と言うだろうか。

「研究の手段としての英語」というのは、参考資料を読む、あるいは論文を書くための英語だ。
 旅行英会話や外国人の友人を作るための英語ではない。
 


 そういうことをわからずに、学生が「大学は方便を教えてくれるところだ」と勘違いをして通うのは彼の勝手である。
 だが、大学側が思い違いをしている高校生に迎合して
「うちに来たら資格やスキルが身に付きますよ」とか
「当校の卒業生の就職率は○○%!」とか宣伝するのはいけない。
 文科省がきっちり取り締まって、こういう大学は高等教育機関から中等教育機関に格下げすべきだ。


 学問とは、「わからないから学ぶ」べきものだ。
「これをやったら英会話が身に付く」とか「この講義を受ければ○○の資格がとれる」とかいうのは学問ではない。
 誰も踏み込んだことのない道(というより道があるのかどうかもわからないところ)へ果敢に踏み込んでいくのが学問だとぼくは考える。

「わからないから学ぶ。学んだから何を得られるのかもわからない。でもおもしろそうだから行かずにはいられない」
 大学に通っていながらこういう気持ちを味わったことのない人は不幸である。
 資格をとるため、就職するために通う大学は道ではない。ただのベルトコンベアーだ。



 だから大学は学生に対して就職の斡旋をする必要はない。いや、してはいけない。

 幸いにして、ぼくが通っていた大学は「自由」を校風としていた(なにしろ校舎の中に学生が勝手に運営しているBARがあった)。
 まったくの自由放任主義であった。
 大学側から進路について言われたのは一回きり。
 卒業式の日に
「卒業先の進路が決まっている人は教務課に報告してから帰ってくださいねー」
 これだけである。
 ぼくも周囲の友人も報告せずに帰ったから、教務課は卒業生の進路をほとんど把握していないはずである。

 それでいい。道は道としてだけ存在してくれればいい。勝手に運んでくれなくていい。


 大学の放任主義のせいかどうかはわからないが、ぼくは就職に失敗した。
 小さな会社に就職し、思っていたのとは違ったこともあって数ヶ月で辞めた。
 直接の退職理由は健康上の事情だが、仕事がおもしろかったなら無理を押してでも続けたと思う。

 あっという間に無職の立場で社会に放り出されたわけだが、大学を恨んだことは一度もない。
 今も安月給で働いているし(“ワーキングプア”に分類されるぐらいの水準だ)、今の環境に対しては不満だらけだが「大学がきちんと就職の世話をしてくれていたなら」などとは一度も思わない。

 後悔があるとすれば「もっと学問をしておけばよかった」ということだけだ。

 手取り足取り就職の世話をしてくれる大学に通っていた人は、そしてその環境を当然のこととして受け入れていた人は、職場への不満を大学のせいにしているのではないだろうか。
 それはやっぱりとても不幸なことである。
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by uso8000000 | 2011-01-04 21:56 | 徒然

自信だけはすごい

 大阪駅の前で、笛を持って立っているおっさんがいた。

 横に張り紙。

「篠笛演奏。おひねり お一人様 一万円也」



 たかっ!!

 超一流のフルート奏者でもそんなにとられへんわ。



 さらに張り紙。

「大人向けの演奏。五十歳未満はお断り」

 心配しなくても誰もお金払わないと思うよ。
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by uso8000000 | 2011-01-03 21:37 | 日記

まごころ贈る

e0025267_22353250.jpg
みなさま、あけましておめでとうございます。
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by uso8000000 | 2011-01-02 22:36 | 日記

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