大人は楽しい

M-1 2008

M-1グランプリ2008の感想。
テレビ番組の感想をつらつらと述べるのもなんだか気恥ずかしいけど、恥じらいながら書きます。



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まず雑記

・オートバックスのCMでサンドウィッチマンが「わたしの笑顔も無料です」「気持ち悪いよ!」ってやってたのは、マクドナルド批判ととってもよろしいのでしょうか?

・今田耕治は上戸彩を嫌いなのかなw
 ことごとくスルーしてた。
 まあそれがベストな対応だったと思うけど。

・毎年のことなんだけど、島田紳介がカンニングをしているのは、わざと?
 カンニングするっていうボケなのかな。もう悪びれもせずに堂々と隣を見てるよね。
 あと島田紳介に審査コメントを求めるのは時間の無駄だからやめたほうがいい。「みんなと同じだと思います」とか「これは難しい。好みの問題」とか、内容のないことしか言えないから。
 大会の言いだしっぺじゃなかったらとっくに降ろされてるよね。

・番組中で一番笑いをとったのは、昨年に引き続き笑い飯西田の敗者コメント。
 「思てたんとちがう!」
 今田も、おもしろいこと言ってくれることを信じて振ってるよね。

・矢口真理は立派に仕事をしていたなあ。ずっと笑ってあげていた。
 途中からカメラが彼女ばっかり映すようになったのが気になった。
 あんまりにも多いと、「矢口以外誰も笑ってないんじゃないのか?」と不安になる。




【ネタ1本目】


1.ダイアン (サンタクロースを知らない)

 よかったなあ。今までに見たダイアンのネタの中で一番。
 「ボケ」というものは、常識からの逸脱であります。普通はニュートラルな状態からはじめて、ボケる→ツッコむ→ボケる→ツッコむ・・・、という流れをたどるから、常識との距離は0→10→0→20→0→20→・・・となるわけですよね。
 ところがダイアンのネタは「サンタクロースを知らない」という隠された設定があるから、スタート地点からすでに常識から乖離している。だから距離は10→20→10→30→10→30→・・・・・・と、決して0になることはない。
 どういうことかというと、常にボケている状態。だからはまればずっと面白い。
 これは2005年にブラックマヨネーズがやったネタや、2005、2006年にチュートリアルがやったのと同じ。それらのネタも「ボーリングに対してあらゆる可能性を心配しすぎている」「冷蔵庫を買うことを深刻に考えすぎている」というボケがスタート地点に隠れていて、それが次第に明らかになってゆく。ツッコミを入れても、その前提は覆されない。だから決して常識との距離がゼロになることはない。
 ブラマヨやチュートリアルが優勝できたのにダイアンが今年いまひとつ振るわなかったのは、
「10→20→10→30→10→30→・・・・・・」と、決して0にはならないけれど、毎回10にまで戻ってきてしまったことが原因じゃないかな。常識からは外れていたけど、その距離はほぼ平行線だった。
 これがブラマヨやチュートリアルの場合は、10→20→15→35→20→40→・・・・・・と、完全には元の状態に引き戻さずに、どんどんどんどん現実との距離を広げていった。それを可能にさせたのはブラマヨ2人の話術であり、チュートリアル徳井の卓越した演技力だった。
 あとダイアンの場合は、「サンタクロースを知らない」というスタート地点に立つまでに時間をかけすぎた。

 ダイアンのネタの枠組みはこれでほぼ完璧。「誰もが知っている○○を知らない」というネタは、いくらでも応用が利く。あとは大げさなくらいに話を広げるための説得力だけど、それは津田の腕次第かな。来年に期待。

(6位(実際の順位)/1位(真心順位))



2.笑い飯 (闘牛士→車上荒らし→追突事故)

 ダイアンとは逆で、今までに見た笑い飯の中で一番だめだった。
 すごく散漫な印象のネタ。
 散々「スロースターター」と言われてきて、今年ははじめから飛ばしていったのはわかったんだけど、飛ばしすぎだったんじゃないかな。
 スピードは上がったけど精度は落ちたと思う。
 ダイアンより点数高くて驚いた。

(4位/5位(真心順位))


3.モンスターエンジン (エイリアン映画)

 いつも通りのモンスターエンジンという印象。
 落ち着いてやっていたけど、それが逆効果だったのかも。
 どう転んでも優勝できるネタではないな。もう少し冒険して、靴屋とかのネタをやってもよかったんじゃなかろうか。
 でも顔見せにはなってよかった。これからM-1の常連になるコンビだと思う。

(7位/4位(真心))


4.ナイツ (宮崎駿作品を紹介)

 ほぼ初見。
 4分にあれだけのボケを詰め込むのはすごいけど、数撃ちゃ当たる感は否めないな。ツッコミで笑いを増幅するんじゃなくて、ツッコミのために弱いボケを並べたという感じ。
 中には、「無くてもいい」どころか「無いほうがいい」ボケもあったし。
 とはいえ、テンポはいいし聞き取りやすいし、もっと客席が沸いてもいいかなとは思った。
 ベタベタなボケばかりなので、たまに「メガネに大ウケ」「城だけやる気ない」とかいうわけわかんないボケが入ると光るね。

(3位/3位(真心順位))


5.U字工事 (栃木と茨城)

 この人たちのネタははじめて観た。
 おっそろしくつまんなかった。どうして決勝に?
 過去8回の決勝進出者の中で一番おもしろくなかったな。
 言いたいことはわかる。でも大学の新歓コンパで繰り広げられる田舎自慢・故郷トークレベルに感じる。
 いや、わかるのよ。そこに群馬とか埼玉とかを放り込んできたり、妹が茨城県民と結婚した話をしたりして、変化をつけてるのは。でもベースにあるのは田舎自慢で、それ以上のものは生まれていない。
 NHK日曜お昼にやっている『笑いが一番!』でやったらいいと思う。
 ここの順位が一番納得いかないな。ダイアンより下だろう。

(5位/9位(真心順位))


6.ザ・パンチ (ニュースキャスターになって女性キャスターにプロポーズ)

 彼らは悪くない。このコンビを決勝に上げた審査員が悪い。
 だってわかってたことじゃない。
 笑いとは差別から生まれるものだと思っている僕はこういうネタは好きなんだけど、まったく受け付けない人がいることも理解できる。「死んで~」の時点で拒否反応を起こす人は決して少なくないと思う。ボケの人が憎らしくないから余計に。
 以前観た彼らのネタに「お願いだから大きな工場の近くの川で泳いで~」ってのがあった。僕はすごくおもしろいと思ったけど、同時に「これはテレビで言っちゃいかんだろ」とも思った。つまりはそういうこと。
 彼らの点数が低かったのは他にもいっぱい原因があったと思うけど、ザ・パンチはザ・パンチの仕事をしたと思いますよ。
 今田が点数出る前から必死でフォローしてたのが笑えた。

(9位/7位(真心順位))


7.NON STYLE (川で溺れた子どもを助ける)

 何年か前の彼らの漫才は、「おもしろいとは思うんだけどなんか笑えない」だった。
 波長が合わないというか、やろうとしてることが見え透いているとか、キャラを必死で作ろうとしているのが痛々しいとか、いろんな要因があったと思う。
 でもまあそれなりに評価はしていた。好きじゃないけど、うまいし多くの高校生は腹を抱えて笑うだろうな、と。
 でも今回のネタを観た感想は「おもしろくないし笑えない」。
 自分自身にツッコむのは、おもしろくないのを通り越して観ていて腹が立つ。
 たまにいるでしょう、おもしろくないことを言って自分でツッコむ人が。そしてみんな嫌いでしょう、そういう人が。文章ならアリだけど、会話においてはやっちゃいけないこと。
 そういうボケだったらいいんだけど。「自分でツッコむな!うっとうしいねん!」っていうボケなら。でもそうじゃなかったし。
 せっかくいいボケがあっても、自分の足を叩いてツッコミを入れるたびにおもしろさがリセットされる。
 あと気になった点が1つ。
 M-1グランプリ初代チャンピオン・中川家のネタが「川で溺れた子どもを助ける」だった。「びしょ濡れ」というボケも、たしか中川家が使っていたと思う。
 味付けはちがうし、もちろんパクったとは思わないけど、普通はこのネタは選択しないと思うけどなあ。観たことないはずはないだろうし。

(2位/8位(真心順位))


8.キングコング (ヒーローインタビュー)

 動かないなあという印象。
 キングコングは動きまわってナンボでしょう。しゃべりだけで勝負したら、そりゃ勝てるわけないよね。
 そこが審査にも出たのでしょう。だってネタのレベルは去年と変わってないもの。
 点数が出たとき「低いな!」と思ってしまった。よく考えたら正当な評価なんだけど、去年が不当に高すぎたから。

(8位/6位(真心順位))


9.オードリー (引越し)

 この人たちのネタもはじめて観た。
 おもしろかった。でも漫才のおもしろさだけではないな。キャラのおもしろさが強すぎて。
 みんなが相撲で戦っている中、一人プロレスラーが紛れ込んでいるような。そりゃあ相撲よりプロレスのほうがショーとしてはおもしろいけど、でもずるいよと。
 こんな気分を味わったのは2002年大会にテツandトモが出て以来だなあ。でもあの人たちはギター弾いて踊りまわってあからさまに漫才じゃなかったけど、オードリーの場合は形式は漫才だもんなあ。
 敗者復活じゃなかったらこうはいかなっただろうな。以前に出ていたテレビ番組(僕は観たことないけど)→敗者復活会場→移動中と、徹頭徹尾あのキャラを貫いていたからこそできたネタだと思う。
 点数が発表されたときもあのキャラを崩さなかったのは立派。

(1位/2位(真心順位))



【最終決戦】

1.ナイツ (SMAPを紹介)

「ガラスの十代」のボケは、わかりにくすぎるだろ。今となってはフルコーラスで知ってる人のほうが少ない歌だと思うけど。僕はわかんなかったし。
 うまいしおもしろいんだけど、観れば観るほどボケの弱さが露呈してゆく。
 今は「数撃ちゃ当たる」だけど、質も伴うようになれば、敵無しのスタイルだと思います。


2.NON STYLE (夜中の病院)

 1本目よりはずっといいかな。
「網戸」とか「街灯」とかの着想はいい。でもやっぱり自分ツッコミがすべてを台無しにしてしまう。ボケが自分でツッコむから、ツッコミがそれをなぞるだけになっている。


3.オードリー (選挙演説)

 相変わらずキャラはおもしろいんだけど、ネタだけを取り出してみるとけっこうひどいレベルのものも混ざっていた。
 でも見せ方はここが一番うまかったな。



 この3組の中では、NON STYLEの優勝もまあ納得いくかなあ。
 彼らはつまんないボケが一番少なかったから、消去法で点数をつけたらNON STYLEがトップになると思う。
 オードリーでも良かったと思うけど、審査員たちに「2年連続敗者復活からの優勝はまずい」という意識がはたらいたんじゃないかな。
 3組とも1本目のネタに絡めたボケを入れてきていたけど、あれはどうなのかなあ。下手したらマイナス評価されかねないよね。
 




【総括】

レベルが高かったという声も聞かれるけど、僕の中ではここ数年で一番がっかりした大会だった。
僕が一番だと思ったのはダイアンだけど、そのダイアンですら優勝にふさわしいレベルには達していなかったと思う。

審査員の講評の中で「ボケが生まれるまでの時間が」という言葉が、3~4回聞かれた。
今はすぐに笑えるショートネタブームだと言われているけど、M-1にも強くその影響が出てるんだなあ。
実際、上位のNON STYLE、オードリー、ナイツ、笑い飯あたりはすべて短いボケを連発するタイプ。4分かけて1つの笑いを育てていったダイアンは評価されなかった。
そりゃあすぐに笑えるのはいいけどさ。でも笑った数で評価するんだったら何のためのプロ審査員なんだってことになってしまう。M-1が、オンエアバトルや漫才アワード化しつつあるのかも。たぶん今回は客だけに審査させても同じような結果になっただろうな。

毎年言われていることだけど、後半になるほど点数がインフレを起こすのは何とかならないものか。1組目は「基準だから」と言って85点をつけるけど、9組目の審査をするときに1組目と比較しているとは思えないし。
キングオブコント方式を採り入れたほうがいいんじゃなかろうか。1~3組目から1組、4~6組目から1組、7~9組目から1組が決勝進出って具合に。
一見不公平だけど、実はこっちのほうが公平なんじゃなかろうか。
アファーマティブアクションってやつです。
1位だけを決める大会なんだからそれでいいと思う。
それかフィギュアスケートみたいに厳しく審査基準を決めてしまうか(そしてそれを公表するか)。
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by uso8000000 | 2008-12-22 09:17 |

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